top of page
  • 執筆者の写真榊原 将/HR Linqs, Inc.

プロバスケ界の収入格差: NBAとWNBAの比較 / The Income Disparity in Pro Basketball:「アメリカ人事を図と表で(仮)」#アメリカHR

先日行われたWNBAのドラフト会議、大方の予想通りアイオワ大学のケイトリン・クラーク選手が、インディアナ・フィーバーに1位指名された。


昨年のWNBAの最下位チームでありながら、クラーク選手が入団したことにより約90%の試合がスポーツチャンネルで生放送されることが決定し、既に大フィーバーで湧いている。


その裏で、WNBAの新人として受け取る給与は、NBAの新人選手と比較して驚くべき差があります(Income Disparity)。


彼女の給与はNBAの昨年の1位指名のビクター・ウェンバンヤマの0.6%に過ぎず、この格差はスポーツ業界における性別に基づく経済的不平等を浮き彫りにしています。


クラーク選手がアイオワ州経済にもたらした貢献は約8000万ドルと評価されており、その市場価値と比較すると、彼女の給与は非常に低いと言えるでしょう。」


「主要な点」

  1. WNBAとNBAの給与格差:ケイトリン・クラークのWNBAでの初年度給与は76,535ドルですが、NBAの同等の選手は年間1370万ドルを受け取っています。これにより、スポーツ界の性別に基づく給与格差が明確に示されています。

  2. アイオワ州経済への影響:クラーク選手はアイオワ州経済に約8000万ドルの貢献をしました。彼女の活躍が地域経済に及ぼす影響は計り知れません。

  3. NIL権利による収入:彼女のNIL(名前、肖像、パーソナリティの権利)による収入は340万ドルに上ります。これは彼女のプロスポーツでの給与を大きく上回っています。

  4. スポンサー契約:クラーク選手はナイキやゲータレードなど、複数の大手ブランドからのエンドースメント契約を保持しており、これが彼女の収入の大きな部分を占めています。

  5. WNBAの視聴率と収益:WNBAの視聴率と収益はNBAと比較して劣っており、このことが給与格差の一因とされていますが、クラーク選手のようなスター選手の登場はこれを変える可能性を秘めています。

  6. ケイトリン・クラークの大学時代の実績:彼女は大学時代に多くの記録を更新し、NCAAの全米得点王に輝きました。これらの成績が彼女のプロ入りに大きな期待をもたらしました。

  7. アイオワ大学の観客動員数の増加:クラーク選手の活躍によりアイオワ大学のバスケットボールの試合の観客動員数は81%増加しました。これは彼女の影響力の大きさを示しています。

  8. WNBAの契約と給与構造:WNBAの新人契約の給与構造は非常に限られており、その制約が給与の低さにつながっています。

  9. スポーツにおける女性の地位:ケイトリン・クラーク選手のケースは、スポーツにおける女性の地位向上に向けた議論を再燃させるものです。


「企業の検討点」

  1. マーケティング価値: 優れたアスリートはその名声を利用してブランド価値を高め、広告収入を得ることができます。

  2. 給与格差の問題: 性別に基づく給与格差は企業倫理に関わる大きな問題です。

  3. ブランディングの機会: 女性アスリートへの投資は、企業の多様性と包括性の姿勢を示す良い機会です。


「Q&A」

Q1:WNBAとNBAの給与格差はなぜこれほど大きいのですか?

A1: WNBAとNBAの収益の大きな差が主な理由です。NBAははるかに高いテレビ収入と広告収入を得ています。


Q2:スポーツ選手の市場価値を正確に評価し、適切な報酬を保証するための人事のアプローチには何が含まれるべきですか?

A2: 市場価値を評価するには、選手のパフォーマンスだけでなく、チームへの影響、商業的価値、およびメディアでのプレゼンスを総合的に考慮する必要があります。これには、詳細なデータ分析とパフォーマンス追跡が必要です。



bottom of page