カリフォルニア州のGavin Newsom知事が、新たな行政命令で州職員に対して「週4日以上のオフィス勤務」を義務付けました(The End of Remote Work for CA state employees)。
リモートワーク継続を求める労組(CASE)との対立が再燃する一方、既に多くの職員が現場でフル出社している実態も。
デスクワークの効率やメンタルヘルス向上を主張する遠隔勤務推進派に対し、「コラボレーション強化」「公正な負担配分」を掲げるNewsom政権はRTOを正当化。
また、連邦政府の大量解雇者を優先採用する条項を盛り込むなど、人材確保戦略としても注目されています。
「主要な点」
ニュースの概要:週4日以上のオフィス勤務義務:2025年7月1日から州職員に対する新たな出社命令が施行され、リモートやハイブリッドを続ける職員は減少見込みです。
リモートワーク維持 vs. 出社:労働組合との対立:テレワークの効果を強調する組合(CASE)が、突然のRTO強化を“過度で誤った判断”と批判し、法的対応も検討されています。
カリフォルニア州職員の総数と現状:224,000名超の職員のうち、95,000名がリモート・ハイブリッドで働いており、既に半数以上がフル出社しています。
過去の仲裁結果:RTO命令を認める判決:2022年の仲裁で“州はオフィス勤務を要求できる”との判断があり、CASEの上訴が続くが、州側に有利な状況です。
Newsomの主張:イノベーションとコラボレーション向上:対面での協業が成果を高めるとし、在宅勤務が続くとスケジュール不整合が発生し効果が減じると指摘しています。
労組の懸念:効率とメンタルヘルス面:CASEはリモートワークが効率的かつ従業員の精神的健康やコスト削減に寄与すると主張しています。
連邦解雇者の優先採用条項:連邦政府の大量解雇に対応し、消防・森林管理・精神保健など州が求める専門人材を積極的に取り込む狙いがあります。
公正性:現場勤務が継続していた職種との均衡:保健・警察・インフラ整備など、パンデミック中もリモートが困難だった職種との公正を図る意図をNewsomが示唆しています。
RTOと生産性・士気への影響:オフィス出社がコラボや監督を強化するとしていますが、遠隔勤務派は生産性低下を懸念されています。
将来の公務員雇用・労務管理への示唆:大規模RTOが公務員採用競争力や若手職員の定着にどう影響するか、他州の政策にも影響を与える可能性が大きいです。
「企業の検討点」
ハイブリッド制限がもたらすモチベーション管理:施策に応じて従業員の意欲やエンゲージメントが変動するため、研修やコミュニケーションプランを充実させる。
労働組合との交渉と法的リスク:仲裁結果を踏まえつつ、労組との協議を継続し、法的対立が長期化しないよう早期合意を目指す。
出社費用負担と生産性評価:通勤費用やオフィススペースの確保にかかるコストと、対面コラボレーションによるメリットのバランスを見極める。
人材確保:連邦解雇者の優先採用メリット:大量解雇された人材を積極登用することで専門知識を獲得し、短期で欠員を補う戦略を立案。
他州・他セクターのRTO動向比較:民間企業や他の州政府が進めるリモートワーク方針を調査し、人材流出や競合優位性に影響がないか検証する。
「Q&A」
Q1: なぜNewsom知事は週4日の出社義務を設けたのでしょうか?
A1: コラボレーションや効率向上を理由に、リモート勤務が続くことでスケジュール不一致や指揮監督の難しさが増し、業務に影響が出ていると判断したからです。
Q2: リモートワークを支持する労組の主な主張は?
A2: テレワークが生産性向上やコスト削減、メンタルヘルス改善に寄与するとし、不必要な出社強要は逆効果だと考えています。
Q3: 連邦解雇者を採用するメリットは何ですか?
A3: 高い専門性を持つ人材をスピーディに確保でき、州の重要ポジションを補うことが可能です。
Q4: 出社義務に応じない職員はどうなるのでしょうか?
A4: 具体的処分は現状不明ですが、過去の仲裁で州側に命令権が認められており、何らかの懲戒や配置転換が検討される可能性があります。
Q5: 組織文化やチームワークは本当にオフィス出社でしか得られないのでしょうか?
A5: 必ずしもそうとは限りませんが、Newsom政権は対面コミュニケーションによる即時連携や監督を重視しています。デジタルツール活用で一部補完可能という見解もあります。
Q6: なぜこのタイミングで出社義務をさらに強化したのですか?
A6: Newsom政権は、在宅勤務中のスケジュール不整合と民間企業が再度オフィス回帰する動きに合わせるためとしていますが、詳細の理由は明確にされていません。
Q7: 労組CASEはどのような法的手段を取る可能性がありますか?
A7: 昨年の仲裁に続き上訴中であり、今回の新命令に対しても追加訴訟や仮処分を求める形で抵抗する見込みです。

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