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10年で年275,000ドル!MLB年金制度の実態 / Ten Years to $275,000 a Year:「アメリカ人事界隈」#アメリカHR #HRLinqs #HRLinqsLearning

執筆者の写真: 榊原 将/HR Linqs, Inc.榊原 将/HR Linqs, Inc.

MLB(メジャーリーグベースボール)は、世界最高峰の野球リーグとして多彩なベネフィットを提供しています(Ten Years to $275,000 a Year)。


昨シーズンはロサンゼルス・ドジャースがワールドシリーズを制し、その中心的存在の一人として大谷翔平選手が注目されました。


また、先月イチローさんが殿堂入りを果たしたことも相まって、MLBへの関心はさらに高まっているのではないでしょうか。


そして今年も春季キャンプが開幕し、ファンやメディアの期待がいっそう熱くなっています。


「MLBの主な福利厚生(昨年のデータ)」

期間

獲得できる主なベネフィット

1日

その日の給与を401(k)に拠出可能(2024年個人拠出上限: 23,000ドル)

税金対策として即日活用できる


43日(1/4シーズン)

MLB年金の初期受給資格獲得

チームからの401(k)拠出(2023年は43日ごとに10,000ドル、2024年は増額見込み)


172日(1年間)

サービス時間1年分と認定

年金額:27,500ドル/年(2024年版)


3年で年俸調停、6年でFA権へ近づく重要指標


4年

引退後もMLB健康保険プランへの加入権利(プレミアムは自己負担)

選択するプランにより補償内容が異なる


10年

フル年金受給権を獲得(2024年版で275,000ドル/年)

45歳から早期受給可能(減額あり)、62歳で満額受給


「主要な点」

  1. 40人ロスターとは何か:アクティブロスター(26人)に昇格するための「候補選手枠」。このロスターに入ると、MLB選手会を通じて特別な医療保険などの福利厚生を利用できる。

  2. 1日在籍で可能になる401(k)拠出:アクティブロスターに1日でも登録されることで、その日の給与をMLBの401(k)に拠出可能。2024年は個人拠出限度額が23,000ドルとなり、税制優遇が受けられる。

  3. 43日ルールの意味:アクティブロスターで43日以上在籍すると、年金(MLB Pension)の受給資格が始まるほか、チームからの401(k)拠出が加算される。2023年は1クォーター(43日)あたり10,000ドルだったが、2024年はさらに増額が見込まれる。

  4. 172日=1年のサービス時間:約180~190日のMLBシーズン中、172日が「1年」に相当。1年在籍でMLB年金額は27,500ドル/年(2024年時点)となり、3年で年俸調停、6年でFA権に近づく指標ともなる。

  5. 4年在籍で引退後の医療保険:4年のMLBサービス時間を得ると、引退後もMLB保険プランを継続可能。プレミアム(保険料)は自己負担だが、一般市場の保険と比べても優れた補償が受けられる。

  6. 10年でフル年金(275,000ドル):10年のサービス時間を積むと満額の年金を得られ、2024年は年275,000ドルが上限。引退後の収入源として非常に魅力的。

  7. 年金の早期受給と最適タイミング:45歳から早期受給は可能だが、フル年金を得るには62歳まで待つ必要がある。金融アドバイザーと受給開始時期を計画的に検討することが重要。

  8. 家族の医療保険加入手続き:40人ロスター入りした選手自身は自動的に登録されるが、家族は自動登録されない。必要書類の提出やオンライン登録など、手続き漏れに注意が必要。

  9. 公共プランとの比較メリット:MLB提供のプランは自己負担が少なく、カバー範囲が広い。一般の保険プランと比較してもコストパフォーマンスが非常に高い。

  10. 専門チームとの連携による最適化: 年金や401(k)、医療保険の選択肢は複数あり、状況に応じた最適解が異なる。プロの金融アドバイザーやスポーツマネジメントチームとの連携が、長期的恩恵を最大化するカギ。


「企業の検討点」

  1. 短期在籍者のモチベーション向上:1日在籍でもメリットを得られる仕組みを取り入れれば、即戦力人材の採用・定着が期待できます。

  2. 段階的な報酬とリテンション戦略:43日・4年・10年といった区切りを応用し、従業員のキャリアに合わせたインセンティブ設計を行います。

  3. 退職後の健康支援:一定期間在籍すれば引退後も医療保険を継続できる制度は、高齢化社会での企業の優位性につながります。

  4. 年金プランの魅力強化:確定給付型年金を段階的に厚くする仕組みは、人材流出を防ぎ高い忠誠心を生みます。

  5. 専門家チームによる制度運用:財務・法務・人事の専門家を交えて、自社に合ったプランを構築し常にアップデートする体制が必須です。


「Q&A」

Q1: 福利厚生を強化する一番のメリットは何ですか?

A1: 従業員のモチベーションやエンゲージメントが高まり、離職率が下がり企業の競争力が向上します。


Q2: リモートワーク時代に重視すべき福利厚生は?

A2: オンライン健康サポート、在宅勤務手当、メンタルヘルスケアなど、自宅でも働きやすい環境を整える施策です。


Q3: 従業員の退職後を見据えた福利厚生は必要?

A3: 必要です。特に長期在籍者へ退職後の医療保険や年金制度を提供することで、企業へのロイヤルティを高められます。


Q4: MLBにおける“1日在籍で401(k)拠出可能”はどのように応用できますか?

A4:短期間でも成果を出す人材へのインセンティブとして、試用期間中から一部福利厚生を適用する制度を作るなど、即時的な評価・報酬設計に応用できます。


Q5: 43日ルールを企業が参考にする利点は?

A5:一定期間(例:3か月、6か月など)を達成した従業員に特別ボーナスや退職金上乗せの権利を与えると、短期離職を防ぎつつ中期のモチベーション向上が期待できます。




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