この1年ほどで幾度となく変更がされているH-1Bビザの取得方法や取得条件に、また新たな提案がされたようである。
トランプ政権は28日、H-1Bビザ取得に関する新ルールの提案を行ったようである。
この新たな提案は米国移民局(USCIS)に年間上限(6万5千、または8万5千)を上回るH-1Bビザ申請がされた際に、従来行っていた抽選ではなく給与レベルの高い順に申請を許可するというものである。
しかし、(抽選を廃止するために提案された)新ルールは法律に違反する可能性があり得るという。
H-1Bビザの取得プロセスの一つである、候補者に妥当な給与が支払われているかどうかを調査するOccupational Employment Statistics (OES) Wage Levelには、4ランクが設けられている。給与レベルで申請を許可した場合、レベル1に分類されるエントリーレベル等の候補者がH-1Bビザを取得出来る可能性はほぼ無くなると予測される。
法案が可決した場合、企業は、実務経験の無いエントリーレベルの留学生雇用に際し、高額な給与を支払うことになるため、結果的にH-1Bビザでの雇用をすることが難しくなると考えられる。
企業が留学生を雇用することが出来なくなるということは、留学生が卒業後に米国で就職をすることが現状より難しくなり、ひいては留学生が米国留学を選択するかという点にも影響を与えることとなる。
この新ルールについては、給与額のみがH-1Bビザ取得の条件となり、職業の社会的価値、米国企業や米国経済への影響を度外視することにも問題がある、との指摘もある。
高給を支払える業界のみに偏ったビザの発給が必ずしも米国全体に良い影響を与えるということではない。
COVID-19の影響で特に今年は就職が難しくなっているであろう米国、そしてこの数年で劇的にビザ取得が難しくなっている現状で、元留学生である私としてもどうにかH-1Bビザの取得という点が留学生にとって一つの希望であり続けることを願っている。
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