職場での満足度が低下 / Declining Job Satisfaction：「アメリカ人事界隈」#アメリカHR

榊原将/HR Linqs, Inc.
2024年5月30日
読了時間: 3分

アメリカの労働者の職場満足度は2023年にわずかに向上しましたが、詳細な調査結果は、多くの側面で不満が増加していることを示しています（Declining Job Satisfaction）。

バンク・オブ・アメリカの最新調査によると、職場の柔軟性が満足度向上の鍵となっており、特にハイブリッド勤務の労働者が最も満足しています。

「主要な点」

全体的な職場満足度の向上：2023年の全体的な職場満足度は前年から0.4ポイント増加し、62.7%の労働者が職場に満足していると報告されています。
サブカテゴリでの満足度の低下：職場満足度の26のサブカテゴリ全てで満足度が低下しており、特に健康保険、ボーナスプラン、昇進ポリシー、賃金での不満が顕著です。
職場の柔軟性の重要性：ハイブリッド勤務の労働者の65%以上が職場に満足しており、柔軟な勤務形態が満足度向上の鍵となっています。
性別による満足度の差：男性の職場満足度は65%に対し、女性は60%にとどまっており、ボーナスやキャリア成長、健康保険において大きな差があります。
インフレと生活費の懸念：労働者は依然としてインフレと生活費の高騰に懸念を抱いており、給与がこれらのコストに追いついていないと感じています。
転職のリスク：パンデミック以降に転職した労働者は、現在の職場に留まった労働者よりも5.6ポイント低い満足度を示しています。
離職意向の傾向：離職を考えている労働者の75%が現在の職場に不満を抱いており、特に文化やリーダーシップの改善を求めています。
職場文化とリーダーシップの重要性：良好な職場文化と効果的なリーダーシップが、従業員の満足度とエンゲージメントに重要な役割を果たしています。
情報非対称性の問題：企業が求職者に対して職務内容を明確に伝えることが、従業員の不満を軽減するために重要です。
柔軟な勤務政策の普及：企業が柔軟な勤務政策を採用し続けることで、従業員の満足度と生産性を向上させることができます。

「企業の検討点」

柔軟な勤務形態の提供：企業は、リモートワークやハイブリッド勤務など、柔軟な勤務形態を提供することで、従業員の満足度とエンゲージメントを向上させることが重要です。
給与と福利厚生の見直し：健康保険やボーナスプランなど、従業員が不満を抱いている福利厚生を見直し、改善することが必要です。
性別間の格差是正：男女間の職場満足度の差を是正するため、特にキャリア成長やボーナスに関する公平な政策を導入します。
職場文化の改善：良好な職場文化を築くことで、従業員の離職率を低減し、エンゲージメントを高めます。
転職リスクの理解：従業員が転職を検討する際に注意すべき点を理解し、現職での満足度向上を図ることが重要です。