2025年も多くの州で最低賃金の改定が予定されています。しかし、2009年から変更されていない連邦の最低賃金7.25ドルを継続する州も多く、各州間での最低賃金の差がさらに拡大しています(2025 Guide to State-by-State Minimum Wages Across the US)。
最近ではFair Labor Standard Act(公平労働基準法)におけるExempt従業員の給与基準改定に関する混乱が生じました。
背景は以下の通りです:
1. 2024年4月:米国労働省が、Exempt従業員に該当する労働者の時間外労働免除のための最低給与基準を引き上げる最終規則を発表
◦ 2024年7月1日:最低給与基準を週684ドル(年間35,568ドル)から週844ドル(年間43,888ドル)に引き上げ
◦ 2025年1月1日:この基準をさらに週1,128ドル(年間58,656ドル)に引き上げ予定
◦ 3年ごとの自動更新:以後、3年ごとに給与基準を自動的に更新する仕組みの導入予定
2. 2024年11月15日:テキサス州東部地区連邦地方裁判所が、時間外労働免除に関する給与基準引き上げを無効とする判決を発表
このような事態は2016年にも発生しており、その際には施行間近で判決が無効化されました。今回のケースでは、判決が11月に下されたため、1回目の給与上昇はすでに7月から施行されており、その影響は更に大きいのではないでしょうか。他方で、2016年の経験を踏まえ、今回の判決に備えていた企業も多かったかもしれません。
この判決により、連邦レベルでExempt従業員に必要な給与基準は、週給684ドル(年35,568ドル)に戻りました。
州別に見ると、カリフォルニア州(CA州)の2025年の最低賃金は16.50ドルに決定しています。なお、最低賃金を段階的に18ドルまで引き上げることを提案したProp 32という法案も存在しましたが、この法案は11月中旬に否決されました。
最低賃金早見表に記載されている州別最低賃金は、企業規模や従業員数によって異なる場合があります。また、各自治区が独自の最低賃金を設定している場合も多く、注意が必要です。さらに、多くの州では1月を基準に最低賃金が変更されますが、そうでない州も存在します。そのため、最新の情報を確認することが重要です。
トリビアとして。。。
ジョージア州とワイオミング州では州の最低賃金が5.15ドルに設定されています。連邦の最低賃金が7.25ドルであるため、こちらが実際に適用されますが、州の最低賃金が連邦の水準よりも低いままとなっている珍しい例です。これは、2009年の連邦最低賃金が設定される前の金額が更新されていないためです。
最後に、各州の最低賃金の引き上げに伴い、Exempt従業員に求められる最低給与額が更新される州もあります。また、各ポジションの給与水準も随時見直されています。こうした動向を正確に把握し、最新情報を反映させることが重要です。
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