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3月の狂乱と企業の生産性

March Madness(マーチ・マッドネス)が企業の生産性に、どの程度影響を及ぼしているのか!?


アメリカのスポーツファンが心待ちにしているトーナメントが毎年3月中旬から1か月間に渡り開かれる。マーチ・マッドネス(他に、ビッグ・ダンスと呼ばれる事も)と呼ばれるこの祭典は、全米大学男子バスケットボールトーナメントの呼称でNCAA(全米大学体育協会)のディビジョン1(トップのレベル)に所属してレギュラーシーズンから選択された68校によって優勝校が争われるトーナメントである。


トーナメント方式、アマチュアが集う大会という点からも、日本の甲子園のような大会と考えると分かりやすいかもしれない。アメリカでの大学スポーツの人気は凄まじく、その経済効果も計り知れない。特に今年は1シードに選ばれたゴンザガ大学ブルドッグスに八村塁選手がいる事から、日本での関心も高まっているのではないかと。


ちなみにこのマーチ・マッドネスはアメリカ最大と言われるスポーツの祭典、スーパーボウルに次ぐ人気を誇ると言われており、現在CBSが1年平均771万ドル(約8億円)で放映権を獲得しており、2025年から2032年までの契約延長時に支払われる金額は1年平均10.8億ドル(約1,100億円)に高騰する事からも、その関心の高さが分かると思う。


そしてこのマーチマッドネス、試合観戦は勿論の事、各試合の勝敗をトーナメント表に予想をしていくという行為が多くのファンの楽しみであり(トーナメント表はブラケット(Bracket)と呼ばれ、Bracketologyという造語まで生んでいる)、ESPNに公式に応募する事ができ、その予想の困難さから(2018年度は準決勝の4校を選択出来たのは、応募総数1,730万人の0.1%にも満たない数値であった)、昨年よりウォーレン・バフェットは自社Berkshire Hathaway社内でトーナメント表を完ぺきに埋めた従業員に一生涯、年間100万ドルの賞金を提供開始している。


Berkshire Hathaway社内どころか、現在までに一度も完全なトーナメント表が埋まった事はない。バスケットボールを愛するオバマ大統領の時には、毎年この時期にESPNでオバマ大統領自身がトーナメント表を埋める様子が放映されるのが習慣化されていた。

前述がかなり長くなってしまったが、さてこのマーチマッドネス期間中と生産性の関連性を調査している会社もあり。


Challenger, Gray & Chrismas, Inc.の調査によると、2019年(3月19日から4月8日)のマーチマッドネス期間中、会社内では普段以上にこのトピックによる同僚同士の私語、各試合の経過状況確認やスマホ等での就業中の観戦によって13.3億ドル(約1,330億円)の生産性が失われ、750万人以上の従業員に何かしらの影響が出ると結論付けられている。


人事面からすると、この結果を必ずしも「悪影響」であるという結論付けるのではなく、社内や同僚同士の距離感が普段以上に縮まる絶好の機会と捉えて、社内でのモチベーション向上に繋がる(バフェットの様なドラスティックな事をする必要は無く)イベントを行う事で従業員の心を掴んでみては!?


勿論、この様な事はマーチ・マッドネスのみに言える事ではなく、多くの人が興味を持つ事が事前に分かっている事大半に言える事であり、いわゆるピンチをチャンスに変える様な考え方なのではなかろうか、と。


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