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執筆者の写真榊原 将/HR Linqs, Inc.

AB-5とUber

1週間弱前のこと。

ドライバーを従業員として分類する必要があるというカリフォルニア州の判決に不服であるとして、Uber社のCEOであるDara Khosrowshahi氏はCA州での運営を数か月の間停止する考えを示唆した。


AB-5とはCalifornia Assembly Bill 5という正式名称で、ギグワーカーと分類されている労働者へ、福利厚生を提供することを目的とした新法である。

従業員と独立業務請負人(コントラクター)の区分を判断するための基準を制定したもので、UberやLyftなどのライドシェア業界に代表されるギグ・ワーカーと呼ばれる人やギグ・ワーカーを多数抱える企業に多大な影響を及ぼす法律である。

AB5の可決により、今までコントラクターとして雇用できた人々を、従業員と分類しなければならなくなり、最低賃金、残業代、傷病休暇、健康保健、失業手当等々、コントラクターには適用がされない労働保護を提供する義務がでてくる。

数千人ものドライバーをコントラクターから従業員に切り替える手順自体も難しいが、雇用形態変更に伴う会社の費用負担増は莫大な金額となる。そのため、この判決が覆らない限りは、運営を停止することで対応する考えである。

またマサチューセッツ州でもCA州のAB5に似た法案が可決されており、Uber/Lyft社は訴訟されている最中である。

判例法で成り立っている米国において、AB5訴訟に関する判例はギグ企業にとって非常に重要であり、かつ今後の事業計画にも多大な影響を及ぼすものとなりうる。

Khosrowshahi氏は「別の方法」として、コントラクターとしての契約を維持しつつも、Uber社のようなギグ企業が(労働者の)労働時間数に応じた有給休暇や健康保険購入に使用できる給付金ファンドを用意することは可能であると述べている。


このAb-5に関しては、引き続き動向を追っていきたい。


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